会社員が老いていく国

大学時代には「片岡義男」さんの小説をよく読んだ。

おとなになった気分で凄くおしゃれな感覚を味わえた。

小説に出てきた銘柄のタバコを吸ってみたり、
文体を真似て、文章を書いてみたり、
カッコいいオヤジだな〜、って思ってました。

なぜか、急に気になってネットを見ていたら、片岡義男.comというページを見つけました。

最近、彼がどんな活動をしているか全く情報は持っていませんでした。

あの頃は、なんだかおしゃれで素敵なオトナな感じで、
小説の舞台だったり、登場人物だったりに憧れたりしていました。

その片岡義男さんも今年で81歳ということで、自分のオヤジの2つ下。
でも、現役で執筆活動はされているようです。
そんな中でおすすめのエッセイとあったので読んでみたら、なかなか凄い。

「会社員が老いていく国」
https://kataokayoshio.com/essay/170804_office_worker

なかなか、です。

「ロマンスグレー」というキーワードから
日本という国を片岡義男流に描写しているのですが、なかなか、エグい。

ロマンスグレーといえば、まさに我々の世代を表現したコトバ。
しかし、彼にいわせれば、今の我々はそんなオシャレな表現はしれくれません。
最終的に、何が言いたかったのか、わからないエッセイではあるのですが、
途中にあるメッセージは熱いです。

まず、
日本が全勤労者の70パーセント以上がサラリーマンであること。
それを片岡義男は、

「絶対会社主義」
「会社立国」

と表現しています。

高度成長からバブルまで、
その日本のサラリーマンの圧倒的な多数は、人海戦術の頭数だった。
パソコンや携帯電話が発達していなかった頃は、すべて人の手で作業をしていました。

今は、エクセルやパワポでサクッと資料を作成しますが、
昔は、定規で線を引きつつ表を作り、切り貼りし資料をコピーして作ってた。
時間がかかるし、精度も低いから人の手も必要でした。

そんなことをやり抜いた、オジサマ達をロマンスグレー
とかっこよく呼んでくれたのは、1960年代まで。

彼らが中年の円熟期にさしかかるはじから、まず誰よりも先に彼らの妻は、
失敗の人生を営々と生きる彼らに、呆れ果てなければならなかった。
と片岡義男は語ります。

「粗大ごみ」
「濡れ落ち葉」

という表現がマスコミでも使われ始めました。

そして、
過労死をボトムラインにして、窓際、左遷配転、肩叩き、
リストラ、出向、早期退職勧告、社内いじめ、社内暴力、
いやがらせなど、サラリーマンの環境は厳しさを増すいっぽうだ。

片岡義男の表現もまた辛辣で、

僕は訂正しなくてはいけない。サラリーマンという人たちは存在しない。
確かに存在するのは、歳をとっていくサラリーマンだけなのだ。

更に強烈なのは、次のくだり

サラリーマンであることだけで生きてきた人たち、
会社に勤めていることだけを唯一の財産としてきた人たちが、
定年で会社を離れると、なんの能力もない、
自分ではなんにも出来ない老人たちが、
会社という枠のなかから社会一般という広い荒波のなかへ、
いっきょに差し戻される。
これが問題なのだ。
そして粗大ゴミという言葉は、ここを衝いている。

片岡義男が70代後半に書いた文章だと思います。
日本という国を憂いた内容です。

同世代の人たちの生き様をみて思ったことなのでしょうか。

ちょうど、我々の世代は、高度成長が一段落して、日本がキラキラしていた時代に教育を受けて、
バブル崩壊から日本の厳しかった時代をサラリーマンとして生きてきた。
サラリーマンとして会社の仕組みに乗っていれば、とりあえず60歳までは順調に生きていけると思っていた。

しかし、今。
改めて、片岡義男のエッセイにふれて、いろんなことを感じました。

コロナ禍で時代の変化が加速して、働き方や生き方が強烈なスピードで変化している。
サラリーマンは駄目じゃないけど、いろいろな選択肢も増えてきている。
ジョブ型雇用とか、フリーランスとか、更に世の中が変わっていく気がします。

片岡義男がいう
「自分ではなんにも出来ない老人たち」
にはなりたくないですよね!

しっかり、自分自身を見直しつつ、何が必要か。
これからの時代、どう生きていくべきか。
考えたいと思います。

ぜひ、一緒に考えましょう。

それでは、今日も一日張り切ってまいりましょう!

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コメント

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  1. 2020-4-16

    唯一生き残るのは、変化できる者である。

    このポスト・コロナの時代は完全に別世界になるんだろうなと強く感じます。 SkypeやらTEAM…

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